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ダ・ヴィンチ +クラクフ=名画「白てんを抱く貴婦人」だけじゃない

Ludek, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Slawomir_Zubrzycki_%26_viola_organista.jpg

ポーランド南部クラクフは世界遺産の歴史地区で知られる観光都市ですが、このクラクフはレオナルド・ダ・ヴィンチに「縁」のある町。市内のチャルトリスキ美術館蔵の名画「白てんを抱く貴婦人」はとにかく有名。でも、ほかにもこんなご「縁」があるのです。

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中世からの歴史を感じて…クラクフを知る

中央広場と聖マリア教会(左)

 

クラクフはポーランドが世界に誇る「古都」で、歴史的建造物群という観点からの都市だけではなく、この町にある空気から、人々の気質までを含めて有形無形の文化財の宝庫と言っても過言ではないでしょう。ユネスコ世界遺産の登録が始まった初年度にクラクフは世界から選ばれた12の場所のなかに入ったという世界遺産のなかの世界遺産なのです。

ヴィスワ河畔のヴァヴェル城

中世からの歴史と古い街並み、数多くの美術館、博物館を持つこの町は、ポーランド歴代国王の住まいでもあり、長きにわたりポーランド文化の発信地となってきました。国王の居城で、戴冠式の場であったヴァヴェル城、ヴィト・ストフォシュ作の見事な祭壇を備えた聖マリア教会、ポーランド最古のヤギェウォ大学、さらにヨーロッパ最大級の中央広場は世界遺産に指定されたクラクフ歴史地区の中にあります。また、クラクフを語る上で忘れられないユダヤ系住民が独自の文化と伝統を培ってきたカジミェシュ地区もゆっくりまわってみたいみたいエリアです。

14世紀創立のヤギェウォ大学コレギウム・マイウス

歴史地区には中世の都市計画に従って建てられた建物がそのまま残っています。旧市街をぐるっと囲む遊歩道のようなプランティ公園は、かつて市街地を囲んだ防壁の位置を教えてくれます。フロリアンスカ門、見張りのためのやぐらやバルバカンなどはその当時の堡塁の名残なのです。
だれかと待ち合わせたり、偶然出会って話し込んでしまったり、出会いの場所といえば何よりも歴史地区の中央広場を挙げることができます。広場には織物会館、聖マリア教会、聖ヴォイチェフ教会、旧市庁舎があり、広場の周囲を囲むのは、ほぼ中世そのままの姿を保っている美しい石造りの中層建築群です。

聖マリア教会内ヴィト・ストフォシュ作の聖壇

小高い丘の上にそびえるヴァヴェル城は私達日本人がよくイメージする丘の上のお城そのものです。ポーランドの歴史とポーランドの人々にとって何よりも特別な場所であり、歴史の中の栄光とかつての強大なポーランド共和国を象徴するものといえます。16世紀初頭ルネサンス様式の建築で、城が所蔵する多くのコレクションのなかでも圧巻なのはルネサンス期にブリュッセルの織物工房で製造されたタペストリーの数々で、これは見逃せません。

王の道と呼ばれたフロリアンスカ通り

語り尽くせない魅力にあふれるクラクフ。一度訪れるとまた来たくなる、リピーターの多い町ですが、なぜここを再訪したくなるのかは、クラクフの街の魅力を体験した旅人の瞳を見れば明らかです。この町の人達とのふれあい、文化や歴史、味覚やアトラクションを心まで満喫し、去りがたい思いを抱えて帰ってゆく、そう言ってもよいと思います。
毎年開催されるベートーヴェン音楽祭、ユダヤ文化フェスティバル、短編映画祭、国際大道芸フェスティバル、そして古きよき時代へのノスタルジアにあふれるクラクフ音楽祭、クリスマスマーケットは、「クラクフ系」と呼びたくなるほどクラクフらしい評価の高いイベントです。

カジミエシュのユダヤ寺院

「クラクフ系」とはどういったものでしょうか?
たとえば、カロル・フリチがデザインした1911年完成の歴史的カフェ、「ヤマ・ミハリカ」にぜひ入ってみてください。その答えはおのずとわかってくるはず。アール・ヌーヴォーの内装はまるで世紀末のパリのムード、でもウィーン風の朝食を食べながら交わされる会話は「クラクフ系」。
そう、芸術、文学、そして恋についての話題は尽きることがないのです。

カフェ・ヤマミハリカJama Michalikaのステンドグラス

コロナ禍が落ち着いたらクラクフにお出かけになってみませんか? 暮らすように旅する体験を最低2,3日おすすめします。するときっと「クラクフ系」の意味がおわかりになると思います。
ポーランドへは成田からLOTポーランド航空が運航中で、8月7日現在日本人の入国制限は行われていません。また、入国後の14日の隔離も免除されています。

いつでもフォトジェニック…クラクフ歴史地区

 

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今日は聖ヨハネ・パウロ二世の生誕百年目の日

ポーランド出身の初のローマ教皇であった聖ヨハネ・パウロ二世(ポーランド名カロル・ヴォイティワ)。クラクフの街の中にもゆかりの場所はあちこちにありますが、百年前にカロル・ヴォイティワが生まれたのはクラクフの西にあるヴァドヴィツェという静かな町の広場にある家でした。

クラクフの公認ガイド マグダ・フェディナさんにインタビュー

今日はポーランドの観光ガイドさんにお話をうかがいました。 日本が好きで、日本語を専攻し、さらに日本留学や日本企業での勤務経験を活かして、現在はクラクフの公認観光ガイド資格を持つ日本語ガイドとして活躍しているマグダレナ・フェディナさんにインタビューに応じていただきました。

クラクフ旧市街の広場にて

担当: マグダさん、はじめまして。 本日はどうぞよろしくお願いします。
まずは自己紹介をお願いしてよろしいですか?

マグダ: はじめまして。クラクフで観光ガイドをしているマグダです。 クラクフで生まれ育った生粋のクラクフっ子で ヤギェウォ大学日本語学科を卒業、その後、留学して合計5年間日本に住んでいました。 現在は、クラクフの公認ガイドとして、美しいクラクフを日本のお客様にご案内する仕事 をしています。ご要望に合わせて観光名所だけでなく高級レストランからB級グルメを 楽しめる食堂、かわいい雑貨のお店、ポーランド陶器のお店、その他穴場スポットなど いろいろアレンジできます。

担当: マグダさんが日本に興味をもったのはなぜなのか教えてもらえますか? マグダ: 日本語を学んだきっかけは美少女戦士セーラームーンだったんです。 アニメから始まっていつの間にか日本の伝統文化の魅力に惹かれて、結局日本 語を学ぼうと思ったのです。

担当:日本のお料理でとくに好きなものは何かありますか? マグダ: お刺身です。一番おいしいと思うのはタコとイカです。 ポーランドには絶対ない 食感ですが私は毎日食べてもあきません。

担当:日本のなかでマグダさんの好きな場所を教えていただけますか? 京都です。古都で、絶景あり、伝統あり、歴史ありで魅力あふれる場所です。

担当:日本の旅行者の皆さんに観光におすすめのシーズンをご紹介いただけますか?

マグダ:日本の夏休み頃はこちらもごらんのとおり暖かく、時には気温も30℃を超すことがありますが、カラッとしていて過ごしやすいです。明るい時間も長くて観光には一番いいシーズンですね。でも、これからお出かけなら落ち着いた秋もおすすめです!町中の樹木が黄色に色づいて本当にきれいですよ。そんな秋をポーランドでは昔から「黄金の秋」と呼んでいます。

担当:写真について簡単に説明していただけますか? マグダ: 私の背景に写っているのは世界遺産クラクフ歴史地区の中央広場と織物会館です。この広場は中世の時代からヨーロッパ最大の広場で750年前と同じ形状をしています。世界遺産登録が始まった1978年にクラクフ歴史地区が登録された理由のひとつがそれにあったといわれます。写真の右は旧市庁舎の塔で14世紀の建築です。階段をのぼるとクラクフの魅力的なパノラマを楽しめますよ。 向かって左は中央広場の中心にある「織物会館」です。 この名前は中世に織物の取引が行われていたことから名づけられました。 中は通路のようになっていてお土産のお店がたくさん並んでいます。

担当:ところで最近はライセンスなしで案内をすることも場合によっては違法ではなくなっていますが、ライセンスガイドの方かどうかはどうすればわかりますか? また日本からお仕事をお願いする場合は、どういう方法がありますか?

マグダ:ライセンスガイドは全員がこのようなIDカードを持っていますから、これでわかると思います。また、ガイド業を行う人は事業登録番号を持っています。NIPとREGONというものです。

担当:ガイドをお願いする場合は、どうやってお願いしたらいいのでしょうか?

マグダ:ご依頼は直接ご連絡をいただく方法とポーランド国内の旅行会社を通じて申し込んでいただく方法があります。日本語のライセンスガイドは少ないので、お申し込みは予定が決まったらなるべく早くの方がいいですね。お申込み、ご質問はEメールでお願いします。もちろん日本語で大丈夫ですから、どうぞお気軽にお問合せくださいね。

担当:最後に、これまでのお仕事でとても思い出に残った事を教えてください。

マグダ: これまでに何度もご案内した日本のお客様からやっぱりガイド付きで観光して よかったと喜んでいただいたことです。

担当:今日はお忙しいところインタビューにご協力いただきありがとうございました。


マグダさんへのお問合せは以下のフォームからできます

マグダレナ・フェディナ
 2010年クラクフ・ヤギェウォ大学日本語学科卒
 2011年から5年間日本滞在
 2016年日本語能力試験1級合格
 2017年クラクフ市認定ガイド資格取得 
 事業者登録:MAGDALENA FEDYNA PRZEWODNIK-PILOT-TŁUMACZ
 事業納税者番号NIP:6751387994
E-mail: ningyo23(a)gmail.com  (a)を@に変更してください。