ウッチ&その周辺」カテゴリーアーカイブ

スピチミェシュの花の道

ユネスコ無形文化遺産になった花の道

2022年6月16日はポーランドではカトリックの聖体節という祝日になっています。
この聖体節に関連した行事は各地でいろいろとあり、ワルシャワの西にあるウォヴィチのプロセッション(行進)は良く知られています。今日はもう一か所ご紹介したいと思います。
ポーランド中部のスピチミェシュという村の花の道です。
こちらが公式サイト(英語)です。写真もたくさんの載っているのでぜひごらんください!
https://spycimierskiebozecialo.pl/en/corpus-christi-2022/

そういえば、多分10年以上前に一度この花の道がついて書いたことがあったのですが、ほとんど話題にもならないまま時間が過ぎてしまったという感じでした。それが去年の暮にユネスコ無形文化遺産に登録されました。無形文化遺産に登録されるには、その「伝統」が今まで絶えることなく続いていることを科学的に証明する必要があり、多くの書類のほかに動画を添付するなどしてやっと登録となったそうです。

ユネスコ無形文化遺産スピチミェシュの花道

花の道ができたのはなぜ?

いなかの一年中行事であった聖体節の「花の道」ですが、実は200年余年もの歴史があり、地域の住民は聖体節の前になると総出で花道を作るのがしきたりになっています。もとは19世紀初めのナポレオン戦争に時代にナポレオン軍が村を通過すると聞きつけて村民が花道で歓迎しようとしたことから始まるそうですが、その時はあいにくナポレオンが違う道を通ったので、ナポレオンを歓待しようとした村民の花の道を見ることはなかったとか。

一体どうやってこの花の道ができるのでしょうか?

聖体節の前になると村人は家の庭や野原に咲く花をいっぱい集めます。ほかにも葉っぱ、砂、苔、草、麦の穂なども材料になるんですよ。これらを事前に作り上げた下絵の上に色のバランスを考えながら置いて行くことで1キロメートルを超えるすばらしい花のじゅうたんが完成するのです。聖体節には神様が祭壇から降りてくるといわれていて、神への敬意を込めて大人から子供までみんなが協力して作り上げて行きます。
ユネスコ無形文化遺産の登録によってポーランド国内はもとより、外国からも多くの信徒や旅行者が聖体節の日に年に一度だけしか見られないこの美しい花道を見に訪れるようになりました。
みなさんも来年お出かけになってみられませんか?

https://spycimierskiebozecialo.pl/en/corpus-christi-2022/