ほっこりノスタルジックなワルシャワの旅 – 今日は路面電車(トラム)のお話です。
みなさんはヨーロッパで最初に路面電車が走ったのはどこか知っていますか?
答えは1854年のパリ。その後ロンドンが1860年、ジュネーブ1862年、ペテルスブルク1863年、そして1865年にウィーンとベルリン、その1年後の1866年12月がワルシャワになります。
ワルシャワに初めて登場した元祖トラムは車両を馬が牽引するもので運賃はひとり15コペイカでした。その当時15コペイカがどういう価値があったかというと砂糖500グラムの値段だったそうですよ。レトロな馬のトラムは20世紀に入ると徐々に電化が進み、1908年春から16年の間にすべて電化へ切り替わりました。

ワルシャワに比較的早く路面電車が走るようになったのは、当時ポーランドを分割していた三か国の首都(ベルリン、ウィーン、サンクト・ペテルスブルク)への移動をスムーズにするためで、ワルシャワ市内に点在した終着駅の接続便として開業しました。下の写真はワルシャワ・ペテルスブルク駅(今のWarszawa Wileńska駅)とワルシャワ・ウィーン駅(現存せず)を結んでいたトラムです。
ワルシャワ・ペテルスブルク駅(現ワルシャワ・ヴィレンスカ駅)はヴィスワ川の右岸プラガ地区にあり、ペテルスブルク・ワルシャワ鉄道の西の終着駅でした。帝政ロシアでは線路に5フィート軌間が使われていたため、ヴィスワ左岸にあったワルシャワ・ウィーン駅までの接続としてトラムが活躍しました。ワルシャワ・ウィーン駅はワルシャワ・ウィーン鉄道の駅で軌間は1435ミリだったのです。その昔の名残で、1948年まではワルシャワの路面電車の7.6キロメートル分が1525ミリの幅になっていましたが、のちにすべて1435ミリに統一されて今に至っています。
150年以上もの間ワルシャワで市民や旅行者の足となってきたトラムは飛行機よりも自動車よりも歴史がある乗り物です。ワルシャワに立ち寄ることがあれば、トラムで歴史巡りのワンデートリップを楽しんでみてはいかがでしょうか?

