波蘭四方山話」カテゴリーアーカイブ

東京でポーランド語を学ぶこどもたち

今日は大使館付属ポーランド語補習校でお話を伺ってきました。 日本にこういう学校が日本にあることを皆さんはご存知でしたか?

この学校はポーランド大使館付属ヤヌシュ・コルチャック記念ポーランド語補習校といいます。日本に住むポーランド国籍の子どもたちや両親の片方がポーランド出身の家庭の子どもたちがポーランド語や文化を忘れないために2008年に創立された学校で、言語の運用を中心に生徒の年齢に合わせた指導を行なっています。

授業は中目黒で1か月に2回あり、ポーランドで現地校に通い帰国したお子さん、またこれからポーランドに着任される日本の家庭の子どもも受け入れを行っています。その他の場合もお問い合わせいただければとのことです。

現在5歳児から17歳までの生徒が、ネイティブの先生の指導で楽しく勉強しています。 なんとなく寺子屋を思わせる家庭的な温かい雰囲気の学校です。

お勉強は1回約2時間。中学校生以上ならオンライン学習(1回75分)も選べるので地方にお住まいの方も参加しやすいと思いました。

年間に季節に合わせて色々な行事があり、子どもたちもとても楽しみにしています。こちらの写真は学校の遠足のワンシーンで、去年は箱根に行ってきたそうです。

大涌谷に行きました!

授業料は月2000円、オンラインの場合は月3000円で前納になります。(都合がつかない時の振替も可。)オンラインのプライベートレッスンについては個別にメールでご相談ください。

みんなで「はいチーズ♪」

 今日は知ってるようで知らなかったポーランド語補習学校をご紹介しました。🇵🇱
お問い合わせ、見学希望等は下のE メールアドレスに直接ご連絡ください。🙂

   E-mail: szkola.tokio@gmail.com

 

ピアノから大空へ女性パイロット  ヤニーナ・レヴァンドフスカ

 

ヤニーナ・アニトニーナ・ドヴボル=ムシニツカは、1908年4月22日にハルキィエフに生まれました。
父はポーランドのサンドミエシュ出身で、日露戦争にも従軍したことのある帝政ロシア軍の中将、後年ポーランド軍の総司令官ともなったユゼフ・ドヴボル=ムシニツキ。そして母のアントニーナは類まれな音楽の才に恵まれた女性でした。 

1918年に帝政ロシアが崩壊すると一家はポーランド西部ヴィエルコポルスカ県に移住。幼いころから母親から音楽の英才教育を受けていたヤニーナはポズナンの名門女子高等学校に通い、続いてポズナン音楽院でピアノと声楽を学びました。
スキーや乗馬が好きで、高校生の頃からは当時世間から注目を浴びていた飛行機にも深い関心を持ち始めていました。

音楽院在学中にポズナン公演を予定していた劇団と歌手として出演する話が持ち上がりましたが、その広告の中に娘の名を見つけた父の逆鱗に触れてしまった事が彼女のその後の運命を変える転機になりました。
 得体の知れない三文劇団にドヴボル=ムシニツキ家の名が出るとは何たることと厳しく咎める父に納得がゆかず、卒業寸前に音楽院を退学。
そして、当時は将軍家の子女の仕事ではなかった郵便局勤めを始めて、自活を試みた時期もありました。
 じつは給料よりも職場で使われていた無線と電信技術が学べることがこの職場の大きなメリットでした。飛行機に乗るという夢に近づくための第一歩!パイロットになるためにはこういった技術に関する知識が欠かせなかったのです。

ヤニーナは大空を飛ぶ日を夢見て、ポズナン郊外のワヴィツェ空港に暇があれば通っていました。飛行クラブに所属し、最初はグライダー、そしてついには飛行機の操縦免許を取得しました。やがてポーランド軍に配備されていたRWD8型機の操縦訓練に取り組み、この型の飛行機を乗りこなす数少ない女性パイロットとして、さらにヨーロッパでは女性初の高度五千メートルからのパラシュート降下に成功した人物としてその名が知られるようになりました。 

今度ばかりは父親も頭ごなしに叱る理由をみつけられず、「パラシュートで飛び降りるようなジャジャ馬娘など、嫁の貰い手もないだろう」とぼやいていていたと言われます。 

しかし間もなく気の合う飛行機野郎、ポーランド軍の中佐ミェチスワフ・レヴァンドフスキが現れます。1939年6月に2人は結婚し、別々の町にあった旧居の処分や新居の準備、また9月にワルシャワで開催されることになっていたグライダー選手権大会への出場に向けて短い夏を奔走していました。
世の中にはドイツがポーランドへ今にも侵攻するのではという噂が広がり、不穏な空気が張りつめていました。この不吉な予想は現実となり、8月末にはついに予備役の軍人に召集がかかったのでした。

開戦3日目の9月3日、少尉の軍装に身を包んだヤニーナは、小さなトランクを持つと指定の部隊に合流するために飛行クラブの仲間3名とともにポズナンを発ちました。その日、ほぼ入れ違いで帰宅したミェチスワフはヤニーナが駅へ向かったと知って大急ぎで後を追いましたが、列車は目の前で発車。それが2人の永遠の別れとなりました。

ヤニーナと仲間3名はポーランド東部へ移動中のポズナンの第3航空基地の一隊に出会い、彼らと行動を共にし、5日後にはポーランド東部の町ルブリンを経てフシャティン(現ウクライナ領)に到着しました。しかし、9月17日にはソ連軍が東部国境を越えて突然ポーランドに侵入。そのため部隊は南ポーランドへ向かう命令を受けて移動したものの、ソ連軍に包囲され、指揮官は降伏して、投降するという苦渋の決断をしました。

こうして捕虜となった将兵のなかにヤニーナ・レヴァンドフスカも入っていました。ソ連のオシタコフ捕虜収容所を経て、1939年12月にコジェルスク捕虜収容所に移されます。ポーランド人捕虜はNKVDによる厳しい取り調べと身元の調査が行われており、反共産主義者、帝政ロシアの軍人で、ロシア革命後は共産主義に反対する白軍を率いて戦ったユゼフ・ドヴブル=ムシニツキ将軍の娘であると即ばれなかったのは奇跡と言われています。

2万数千のポーランド軍将校が虐殺されたカチンの森の事件の中で唯一見つかったと女性の遺体。

ヤニーナ・レヴァンドフスカが亡くなったは1940年4月22日。奇しくも彼女の32回目の誕生日のことでした。

 

 

ウクライナ&ポーランドのフードスタンドに来てみませんか?


みなさん、こんにちは!

以前、弊局ブログでもご紹介したメゾン・ワルシャワの新しいイベントが今月開催されます。
今回はウクライナから避難している人々への支援がテーマです。

ポーランド人シェフのドミニカ・ジョルダノさんがウクライナとポーランド料理をご用意して、なんと2000円でバイキング形式で召し上がっていただけるというスペシャル企画です。

すべての収益金は、ポーランド人ジャーナリストのトマシュ・ゴラズドフスキ氏を介してすべてがポーランドに避難中のウクライナ難民支援に役立てられます。

ウクライナからポーランドに到着した避難者の多くは、物資と金銭面での援助を必要としています。そのニーズに対応するように、皆さんもご存じの通り、ポーランド国内の多くの団体がボランティアで支援活動や募金活動を行っています。

協力:ポーランド政府観光局/ ポーランド広報文化センター/ YUKUIDO工房

Dominika Giordano ドミニカ・ジョルダノ | シェフ

仕事中のドミニカ・ジョルダノさん

元ポーランド領事としての異色の経歴を持つシェフ。現在は上野で洗練されたポーランド料理を愉しめるメゾン・ワルシャワを主催。食を通じてポーランド文化を広げることをミッションにしています。日本テレビOha4ではメゾン・ワルシャワのポーランドの名物スープ「ジュレック」が紹介されました。 

Twitter : @maison_warszawa

instargam : @maison_warszawa


Tomasz Gorazdowski トマス・ゴラズドフスキ | RADIO357所属ジャーナリスト

ウクライナでの紛争が始まって以来、シェルターや物資の提供を行うなどウクライナ避難民の援助に尽力している。現在、難民のための空き家リノベーションプロジェクトにも携わっている。

  • 2022年5月29日(日曜日)事前ご予約お願いします。
    時間による入れ替え制になっています。
    ①14時から15時
    ②15時から16時

    ③16時から17時
  • 会場:YUKUIDO工房/東京都台東区東上野4-13-9

予約受付中 (当日払い) 

——————————————————-
本格的なポーランド料理を堪能できる毎月のメゾン・ワルシャワのディナーは
5/19、21、 26、27日分の予約を受け付け中です。時間は19時から21時まで、ラストオーダーは20時です。
★お料理はポーランドの季節の味をご用意するシェフのおまかせコースメニュー
ウエルカムドリンク/アミューズブーシュ/スープ/本日のメインディッシュ/デザート
参加費 6500円 (完全予約制)
予約会場:Route Table 2F
住所:東京都台東区東上野4-14-3 上野駅徒歩3分
おひとりの方、初めての方もお気軽にご参加ください!

東京でポーランド料理を極める❤7月も続きます

日本テレビにも登場したポーランド料理店メゾン・ワルシャワは、毎月新しいテーマでポーランドの食を紹介する期間限定レストラン。😉

食材に一切妥協のない、料理作りを愛する💗ハートがいっぱい、そして美的で美味なポーランド料理が楽しめる日本でたったひとつの場所です。

メゾン・ワルシャワ
7月は次の日程で営業です。
2022年 19:00 – 21:00(L.O.20:00, 21時に閉店)
 7/15 (金)
 7/16 (土)
 7/23 (土)
詳細情報&ご予約はhttps://coubic.com/atelierdominika

後援ポーランド政府観光局

続きを読む

脂の木曜日。それはポーランドの一番甘い日

オレンジピールがアクセントになったポンチキ。中はふわふわです。

ポーランドでドーナツをオトナ買いする日、それが脂の木曜日。一年のしあわせと繁栄を願ってポンチキというドーナツをとにかく食べる、それがポーランドの伝統です。この脂の木曜日にはケーキ屋さんの前には行列できて、とくに人気の店では長く待つということもざら。今年は2月11日の木曜日になります。

続きを読む

ダ・ヴィンチ +クラクフ=名画「白てんを抱く貴婦人」だけじゃない

Slawomir Zubrzycki & viola organistaLudek, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Slawomir_Zubrzycki_%26_viola_organista.jpg

ポーランド南部クラクフは世界遺産の歴史地区で知られる観光都市ですが、このクラクフはレオナルド・ダ・ヴィンチに「縁」のある町。市内のチャルトリスキ美術館蔵の名画「白てんを抱く貴婦人」はとにかく有名。でも、ほかにもこんなご「縁」があるのです。

続きを読む

今日は聖ヨハネ・パウロ二世の生誕百年目の日

ポーランド出身の初のローマ教皇であった聖ヨハネ・パウロ二世(ポーランド名カロル・ヴォイティワ)。クラクフの街の中にもゆかりの場所はあちこちにありますが、百年前にカロル・ヴォイティワが生まれたのはクラクフの西にあるヴァドヴィツェという静かな町の広場にある家でした。

ショパンの心を感じて…ワジェンキ公園からのピアノコンサートをオンライン配信

例年5月半ばから開催されるワルシャワ・ワジェンキ公園のショパン野外ピアノコンサートですが、今年はワルシャワ市の協力でワジェンキ公園内オランジェリーにてピアノコンサートを実施し、オンライン配信をすることになりました

続きを読む